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2016年3月

事例3 固定資産の交換の特例適用の場合の評価

 固定資産の交換の課税特例を適用する土地の評価について相談があった。

 いつも相続税の土地評価の依頼がある会計事務所からである。顧問先から交換特例の適用を受けるため申告の依頼があったとのことであるが、交換は終了し、登記も完了している。親族間の交換である。交換する2つの資産を等価とするため、面積を全く同じにして分筆している。譲渡資産と取得資産が同じ面積で等価なのだから、課税は全くされないと当人たちは思い込んでいるらしい。しかし、面積が同じだからといって、価額も同じとは限らない。むしろ、その方が少ない。相談のあった2つの土地は同じ路線に面しているが、形状がかなり異なるので、同じ価額にはならないと公図・住宅地図等を見た瞬間に分かった。それでも、いろいろ努力して評価したので、差額は10%程度となり、交換の特例の適用を受けることができた。

 しかし、当人たちは、多少なりとも課税されることに対して不満そうであり、申告を依頼された税理士さんも困惑している。固定資産の交換特例を受けたいのであれば、交換する前に税理士や専門家に相談して欲しい。

 

事例2 相続財産に賃貸用不動産がある場合の遺産分割協議書

建物の相続登記のために必要ということで遺産分割協議書を作成した。

借地上の建物で、相続開始時に地主と揉め事があり、借地人から相談があった事案である。

相続人は配偶者(妻)と子2名(兄妹)である。もともと兄である長男が相続する予定であったが、地主との紛争が長引いたため、遺産分割協議書の作成は相続開始後半年ほど経過してからだった。地主との紛争も決着し、建物の相続登記も無事終了した。

年が変わり、確定申告の時期になり、長男から電話があった。税務署から、分割協議前に相続財産から生じる賃料は各法定相続人に帰属するものだから、法定相続人がそれぞれ確定申告するように言われたとのこと。高齢の母は自分で確定申告するのは無理、税理士に頼むか、長男の自分が母の分の申告書類も作成すれば良いが面倒くさい。妹は所得が生じると夫の配偶者控除が適用できなくなるので困る。どうしたら良いかとの相談であった。

遺産分割協議書は相続開始後半年後に作成したが、相続人間では、相続開始時から建物は長男が相続することで合意していたのだから、遺産分割協議書の内容を賃料の帰属先を明示的に示すなどして作り直せば大丈夫とアドバイスした。相続財産に収益資産がある場合の分割協議書の作成は注意を要する。

事例1 危急時遺言書の作成

 友人からの依頼により危急時の遺言書を作成した。

 危急時遺言とは、死期が迫っているなどして普通方式による遺言を作成することができない状況にある者が遺言をすることができるようにするために作成要件を緩和した特別方式の遺言である。

 普通方式の遺言書作成の仕事は随分としてきたが、危急時遺言の相談を受けたのは初めてなので、少し戸惑った。しかし、遺言の性格上、急を要するため、作成要領等を整理し、相談を受けた2日後には遺言者が入院している病室に向かった。危急時遺言書の作成要件は次のとおりである。

 1.証人3人以上が立会うこと。

 2.遺言者が証人の1人に対して遺言の趣旨を口授すること。

 3.口授を受けた者がこれを筆記すること。

 4.口授を受けた者が筆記したものを遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。

 5.各証人がその筆記が正確なことを承認した後にこれに署名押印すること。

 私が証人の1人として遺言を筆記した。相続関係が複雑なため、どうしても遺言が必要な事案であった。

 遺言作成後2日目に遺言者は死亡し、その2日後に家庭裁判所へ遺言書確認の申立てを行った。遺言者の遺志はなんとか実現させられると思うが、あまりにもバタバタしたため、もう少し早く相談して欲しかったとの念が強い。

 

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