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2016年8月

事例6 設定されている路線価を設定されていないこととして評価した事例

 埼玉県某市に所在する土地の相続税評価をしたときの事例です。

 評価地の一つである月極駐車場の敷地内にある通路に路線価が設定されていました。私有地で、単なる通路、建築基準法に規定する道路にも該当しない。確かに通り抜けにはなっているが、一見すると全面砂利敷きの駐車場敷地の一部のようで、通路部分が舗装されているわけでもない。何故このような通路に路線価が設定されているのか。

 財産評価基本通達によると路線価が設定されるのは「不特定多数の者の通行の用に供されている道路」とされており、必ずしも道路法や建築基準法等の法律に規定する道路に該当することを要件にしていません(この点については、特定路線価設定の申出をするとき、国税庁が出しているチェックシートでは、「特定路線価を設定する道路は建物の建築が可能な道路」とされており、矛盾を感じます)。

 そもそもこの通路は、専ら駐車場の利用者が駐車場の出入りに利用しているものであり、不特定多数の者の通行の用に供されている道路とはいえない。この路線価を使ってそのまま評価したら、評価額が不当に高くなる可能性があったので、担当の評価専門官あてに、関係図面や現地写真等を送付して、路線価を消すように申請しました。数日後、評価専門官から「当該路線価は設定されていないこととして評価して欲しい。」との回答がありました。

 当然のことながら、相続税の土地評価における、現地調査と役所調査は基本中の基本です。