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事例8 遺言書作成時の注意! 死亡退職金は相続財産に含まれない

 危急時遺言書の作成を依頼されたときのこと。依頼人は埼玉県某市在住のA氏。がんで長期療養中で、いよいよ危ないと察した親族を介して依頼を受けた。A氏は地方公務員だが、実家が食品の製造販売業で、その経営は弟のB氏に任せている。実家の土地家屋は亡父の相続時に全てA氏が相続していた。A氏の相続人は分かれた妻との間にできた子供である。このままA氏に相続が開始すると、実家の土地家屋はこの子供が相続し、B氏が家業を続けなくなる可能性があるため、弟に実家の土地家屋を遺贈すると遺言したいとのことであった。当方はA氏の詳細な財産内容は分からないが、遺言書作成に際し、子供の遺留分には注意するようにアドバイスした。

 A氏は、「子に現金〇〇〇万円を相続させる。他の全ての財産は弟Bに遺贈する。」との趣旨の遺言を残し、その2日後に死亡した。裁判所での危急時遺言書の確認及び検認が終了した後で、相続財産に関しA氏に勘違いがあることが分かった。A氏の相続財産は実家の土地家屋と僅かな預貯金だけで、子供に相続させるとした現金がない(預貯金だけでは足りない)。B氏と同居の母親の話では、A氏は死亡退職金が相続財産になると勘違いしていたらしい。A氏は地方公務員であったため、条例により死亡退職金の受取人は同居の母親と定められており、死亡退職金は相続財産ではなく、母親の固有財産となる。

 結局、A氏の子供には、B氏が固有財産で代償する方向で調整が進んでいる。

 

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