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事例9 借地権相続時の分割協議には注意!

 ある借地人さんからの相談事例。約10年前に一人暮らしの母が亡くなり、子供4人で実家の借地権付き家屋を相続した。相談者は長男で、子供4人は全員既婚者で持ち家があり、誰も実家に移る気はないため、いったん全員で法定相続割合で相続し、実家の家屋は貸家として賃貸した。その後数年その状態が続き、貸家の賃料は4人で分配していた。だが、不動産の兄弟間の共有は将来所有関係が複雑となり、何かと争いの種となる可能性があるため、4人で協議の末、長男が他の兄弟から持分を購入し、単独で所有することになった。

 その長男から、「地主から契約違反で借地契約の解除を求められている。」と相談があった。地主の主張は、地主に無断で借地権の名義変更を行ったというもの。長男に確認すると、兄弟間で借地権の持分を売買した時、地主の承諾は得ていないという。確かに借地人間の持分の移転とはいえ、名義変更に該当するので、地主の承諾は必要である。相続による名義変更は地主の承諾は必要としないから、本件は、母からの相続のときに、長男が一人で借地権を相続し、他の兄弟に代償金を支払うように分割協議(代償分割)すれば良かったのである。

 税務上の問題を抜きにすれば、相続時は財産をいったん共同で相続し、その後に共有を解消することは、他の財産の場合は良いと思うが、借地権は名義変更に地主の承諾が必要となるケースが多いので、注意を要する。本相談事案に関しては、近く更新の時期が到来するので、更新料を相場より多少上乗せして支払うことにより契約解除の主張を取り下げてもらうように地主と調整中である。

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