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事例10 借地権の譲渡承諾料の算定の基礎とすべき価格

 借地権を第三者に譲渡するときは地主の承諾が必要で、その場合、ほとんどの地主は譲渡承諾料を要求します。この譲渡承諾料は他に名義書換料とか名義変更料と呼ばれることもあり、その相場は一般的に借地権価格の10%で、この割合はほぼ定率化しています。

 譲渡承諾料を算定するときの基礎となる借地権価格は、実際に借地権が売買されるのだから、その取引価格となると思われがちですが、そうではなくて、借地権の正常価格、すなわち合理的な自由市場において形成されるであろう適正な市場価格を用いるべきであるとされています。

 これは、借地権者の売買交渉の拙劣その他の事情により売買価格が不当に低くなった場合に、その影響を受けて借地権設定者(地主)の受け取る譲渡承諾料が低額となるのは不合理だからという考えによるものです。この考えは、まあ妥当なものと思いますが、弊社がだいぶ以前に扱った事例で、これとはいわば反対の理由により、実際の取引価格によらず譲渡承諾料の金額を決めたものがありました。

 扱った事例の借地権設定地は東京都23区内の全国でも有名な超高級住宅地です。弊社は借地権の売買契約自体には関わらず、売買契約が決まった後に、借地権者から譲渡承諾料の算定のみの依頼を受けました。

 この借地権設定地は極端な不整形地でしたが、そこは全国有数の超高級住宅地、よほどの高額で売却が決まったのか、借地権者は初回面談時からいつも上機嫌でした。しかし、売買価格が譲渡承諾料の算定に影響するのが嫌なのか、売買価格は最後まではぐらかしたままでした(ちなみに仲介は地元の大手不動産会社が行っています)。高額で売却できたのは借地権者側の高い折衝能力によるもの、その努力の成果を地主に余分に配分する必要はないというのが、この借地権者さんの考えのようです。

 取引事例がほとんどない(売り物が出ることが滅多にない)地域でしたので、国税庁の財産基本通達や地価公示等を基礎に譲渡承諾料を算定しましたが、借地権者はこの金額に大満足(弊社報酬もはずんでくれました)。地主も弊社の説明を理解し、すぐに納得しましたので、取引は無事終了しました。

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