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事例11 地積規模の大きな宅地の評価を適用する場合の容積率に注意!

 平成29年の財産評価基本通達の一部改正により、平成30年1月1日以降に相続等により取得する宅地で、一定の要件を満たすものは「地積規模の大きな宅地の評価」の規定を適用して評価することになりました。

 改正前の「広大地評価」に比べ、補正率が小さいため、大きな土地を相続した納税者にとって、一般的に不利な改正と思われがちです。しかし、500㎡以上の戸建住宅用地であっても、公共公益的施設用地の負担が必要ない等の理由で広大地評価が適用できなかった土地も適用できたり、さらには、マンション適地であっても一定の要件を満たせば、適用できるなど、改正によるメリット(大きな土地を相続した納税者にとっての)もかなり多いように思えます。

 弊社も改正後に税理士先生からの依頼により、「地積規模の大きな宅地の評価」の規定を適用して評価した例がたくさんありますが、改正による恩恵を受けている納税者の方が多いと感じます。

 適用できるかどうかの判断も、広大地評価より容易なので、税理士先生や弊社のような土地評価支援を業とする者にとってもメリットは小さくないと思います。

 ただし、一点注意を要することがあります。それは、評価する土地の容積率です。容積率には指定容積率と基準容積率の2種類があります。指定容積率は、都市計画の規定により用途地域ごとに定められた容積率です(都市計画図に記載された容積率のこと)。基準容積率は、建築基準法の規定によるもので、前面道路の幅員により制限される容積率です。

 財産評価基本通達による土地評価において、従来から容積率が影響するものとしては、「容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地」と「都市計画道路予定地の区域内に存する宅地」の2つがありますが、それらはいずれも指定容積率か基準容積率のどちらか低い方が判断の際の指標とされていました。それが、「地積規模の大きな宅地の評価」に関してだけは、指定容積率が判断の基準とされています。実際の建築現場で採用されるのは指定容積率か基準容積率のどちらか低い方であり、財産評価基本通達も従来はそれに沿った運用がされていたため、これは落とし穴となりえます。

 改正当初は弊社もうっかりミスをしかけた事例がありました。それは川越市内の事例です。普通商業・併用住宅地区に存する地積が500㎡以上の土地で、正面路線が2項道路のため、基準容積率は240%となり、「地積規模の大きな宅地の評価」の適用OKと安易に判断してしまいました。ところが、用途地域が商業地域で、指定容積率が400%のため、除外規定に該当する土地です。すぐに気がついたため、大事には至りませんでしたが、なぜ、他の規定と異なり、指定容積率を基準とするのか釈然としないものがありました。

 指定容積率であれば、都市計画図を見ればすぐに分かり、基準容積率よりも調査が容易なので、判断を簡易にするための納税者に対する国税局の配慮と理解すればいいのでしょうか?

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