2016年8月
成年後見 弁護士着服被害に見舞金 日弁連方針
成年後見人として預かった高齢者の財産を着服するなど、弁護士の不正が相次いでいることを受けて、日本弁護士連合会が被害者に見舞金を支払う制度を創設することになりました。「市民の信頼低下を防ぐことが急務」との考えで、早ければ来年4月にも導入する予定です。
成年後見人は、認知症などで判断能力が十分でない人に代わって、親族のほか弁護士や司法書士などの「専門職」らが財産を管理します。最高裁によると、「専門職」が後見人として財産を着服した不正は、昨年1年間で37件で、2010年に調査を始めて以来、最多でした。
創設する「依頼者保護給付制度」は、弁護士の着服について刑事裁判の有罪判決や弁護士会による懲戒処分が出た場合、被害者に見舞金を支払う仕組みです。上限は被害者1人当たり500万円で、複数の被害者がいる場合は弁護士1人当たり2000万円を上限とします。日弁連は新設する審査会で被害者に事情を聴いた上で支払額を決めるとしています。